私は母でもあるのですが、新しい生命が誕生するにあたり
きょうだい児であることはずっと気がかりでした。
もしも自分の子どもに障がいがあったら…?
私は育てられるの?
もちろん、当事者の方々を否定したり批判したりしたいわけではまったくありません。
でも――
私は、きょうだい児として育ってきた中で、いろんな出来事を経験しました。
泣いたこともたくさんあります。
わかるからこそ、障がいのある家族を大切に思う気持ちと
悲しい思いを自分の子どもにはさせたくないという気持ちの間で
何度も揺れてきました。
きょうだい児の中には、交際相手の親から結婚を反対されたり
子どもに遺伝するんじゃないかと距離を取られた経験がある人もいると思います。
私も、そのひとりです。
だからこそ、「事実を知っておきたかった」んです。
ただ漠然と怖がるのではなく、自分で確かめたかった。
同じように悩んだあなたへ。
今、悩んでいるあなたへ。
そして、まだ傷の癒えないあなたへ。
調べていく中で、とある研究に出会いました。
それによると、
叔父や叔母にASDのある子どもがASDになる確率は、およそ3〜5%ほど。
一般的な発症率(約1.5%)と比べると、2から3倍ほど高くなるそうです。
ですが、絶対的なリスクとしては依然として低いと言えます。
また、親の性別による違いもほとんどなく
ASDの兄弟姉妹がいる親が母親でも父親でも、子どものリスクは大きく変わらないそうです。
Bai, D., Marrus, N., Yip, B.H.K., Reichenberg, A., Constantino, J.N., & Sandin, S. (2020).
Inherited Risk for Autism Through Maternal and Paternal Lineage.
Biological Psychiatry, 88(6), 480–487.
この論文は、査読付き国際誌「Biological Psychiatry」に掲載された正式な学術研究です。
3〜5%と聞いて、
「え…2~3倍のリスクなんだ…」と落胆するというより、
「思っていたより低いかも」と感じました。
知らないまま怖がっていた頃より、確かに少しだけ気持ちは軽くなりました。
この記事はきょうだい児として母になった私が
ただまっすぐに向き合った気持ちを綴ったものです。
もしかしたら、この文章が、
同じように「怖い」と感じている誰かの、小さな安心につながるかもしれない。
そう思って、書きました。
同じ思いを抱えた方の、ほんの少しの支えになれば幸いです。
管理人 Cocone
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