“きょうだい”を受け入れられるようになった私ですが
いまだに苦手…というか、これであってるのかな?と
モヤモヤすることの一つに「コミュニケーション」があります。
兄のコミュニケーションの取り方は抑揚がなく、一方的で
会話のラリーが続かないことが多いです。
自分の興味のある分野に対しては一生懸命語ろうとするのですが
相手がどういう状況でどういう会話を求めているのか
汲み取ることが難しいです。それが特性の一つであることは
今となっては理解できますが、当時は腹を立てたり話をしたくないと
思っていました。
自閉症スペクトラムのコミュニケーション障がいに関して
複雑な文の理解や、暗喩・皮肉などの非字義的(直接的でない)表現の理解が苦手で
コミュニケーション能力に偏りがみられる。
そのため、会話が一方的になったり、相手の意図や文脈を汲み取ることが
難しい場合があるとされています。
(藤原加奈江,2010)
いまだに何が兄にとっての正解なのかわかりません。
みなさん一人ひとり心地よいコミュニケーションの方法は違うと思うので
あくまで一例として聞いていただきたいですが
・嫌な表情をせずに話を聞く
・話の内容はわからないけど「知ってる・知らない」の反応を
出しつつ傾聴すること
・無理に話を広げようとせず満足するまで聞くこと
きょうだい以外の人と接するときでも必要ですよね
実際できているかといわれるといろんな雑念が入ったりで
自分の調子のよい時しかできません。
ASD児とのコミュニケーションにおいてインリアル・アプローチを通じて
対象児の遊びの広がりや自発的に意思や要求を伝える行動が見られる
ようになったとのことです。
(内田芳夫、西村霞,2013)
「インリアル・アプローチとは、言葉だけでなく視線・表情・身振りなどの非言語的なやりとりも
重視し、子どもからの発信を大人が丁寧に受け止め、状況や文脈に応じて言葉や
行動の意味を理解しあうこと」だそうです。
相手の言いたいことを言語的・非言語的両方から汲み取って話す。
私は結構気合を入れないとできないというか、そこばかりに注力してしまい
神経が磨り減る感覚があります。
人間だれしも自分が一番好きで自分の話を聞いてもらいたいものだと思います。
そんな自分を認めつつ、優しくできるときは実行に移す。
ゆるく、力を抜いていきましょう。
管理人 Cocone
参考文献
藤原加奈江(2010).自閉症スペクトラムのコミュニケーション障がい.東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科言語聴覚学.『日本言語聴覚研究会誌』,51巻,3号,pp.252-256.
内田芳夫、西村霞(2013).自閉症スペクトラム児のコミュニケーション支援に関する事例研究.『南九州大学紀要』,pp.1‐9.
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